物品販売業を考えてください。ある商品を仕入します。3月決算の会社の場合、4月1日から翌年の3月31日までに仕入した商品がすべて売切れば、特に問題はありません。この場合(仕入)=(売上原価)ということになります。
例えば、仕入が80円のものを100円で売り上げしたとします。 そうすると、損益計算書の売り上げのところは、100円となり、その次に表示される売上原価は80円とあらわされます。ところが、ほとんどのケースでは、仕入したもののすべてを、その決算期間内の1年以内に売り上げすることはありません。
ここに在庫商品というものが出てくるのです。そのために、売上高の次の表示が単純に仕入ではなく売上原価ということになっているのです。そこで在庫が残っている場合の売上原価の金額を計算してみましょう。
売上原価=期首棚卸高+今年度仕入高−期末棚卸高
この売上原価というのは、3月決算の会社の場合4月1日から3月31日までに、売り上げたすべての商品の原価です。つまり、その期間に仕入れた商品がそのまますべて、その期間に売り上げされれば在庫はゼロとなり、特に問題が生じません。しかし、現実には、ほとんどの会社の場合在庫という問題が発生してきます。
この在庫、期首にあるものが期首棚卸高、期末にあるものは期末棚卸高となり、そして、仕入高は4月1日から3月31日までに仕入れた商品の合計額ということです。期首は4月1日で期末は翌年の3月31日です。
従って、具体的には、在庫が期末に20円あったということは期首の10円と今年度中に仕入れた90円の合計から20円引いた残りが、売れたということです。売上高100円に対応する売上原価は80円ということになります。
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