貸借対照表はその時点、つまり3月決算の会社であれば3月31日現在の資産、負債等の在り高を表現しているのに対し、損益計算書は4月1日から3月31日までの事業期間の業績をあらわしており、この1年間にどれだけ儲かったかということをみるものです。それは当期利益というところでみることになります。この当期利益は当期の収益から費用を差し引いた残りということになります。
(収益)−(費用)=(当期利益)
このように簡単な算式で表されますが、問題は、収益とは一体何で、費用とは何なのかということです。これが意外と難問になるのでしっかりと覚えておきましょう。
例えば
収益総額110万円(内訳:営業品目である商品売り上げ100万円、所有しているワンルームマンションの受取家賃5万円、定期預金等の受取利息5万円) 費用総額85万円(内訳:商品仕入れ60万円、給与10万円、交際費5万円、福利厚生費3万円、消耗品費2万円、支払利息5万円)とします。
これを損益計算書に表示するときに、収益110万円、費用85万円、利益25万円となるわけですが、これだけでは内容がつかめません。
売上100万円、商品仕入れ60万円で売上総利益40万円、販売費及び一般管理費合計20万円<内訳=給与10万円、厚生費3万円、交際費5万円、交通費2万円>で営業利益20万円、営業外収益合計10万円<内訳=受取利息5万円、家賃収入(雑収入)5万円>、営業外費用5万円<支払利息5万円>で経常利益25万円と表示すれば内容がつかめるのです。
売上総利益(俗にいうアラ利益)、そこから販売費および一般管理費(営業上支払う間接費)を差し引いた営業利益、更にそこから営業外の収支をプラスマイナスした経常利益と、それぞれの段階毎に利益を算出していく方がはるかに経営実態を把握しやすくなるのは『自明の理』といったところでしょう 。
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