高額所得者の場合は、相続財産の中に占める金融資産等換金性の高いものの割合が高 いため、相続税をどの様に支払ったらよいかという問題より、
・ 相続争いの防止
・ 遺族(特に残された配偶者)の生活をどのようにするのか
・ 節税方法の検討
が中心になります。
1 社会的役割の中で相続対策を見だす。
それなりの財産を、遺族に残してやるに越したことはありませんが、それに加え親としては、残された遺族(特に子供)が、親の遺産にたよることなく、経済的にも自立し、社会的にも立派な貢献が出来る人物に成長できる土台を作ってやることができれば、どんなに素晴らしいことでしょう。例えば、子供に何か才能の発芽を見出し、その才能を、さらに開発、向上せしむるために必要となる負担は、事情がゆるせば、親としては当然のことであり、贈与税も課税されません。
2 課税財産を頭脳・技術・芸術という非課税財産に
子供達の頭脳、技術あるいは芸術的感性が向上するための心的、経済的な手助けをすることは、非常に意義のあることと思われます。
3 遺言書の作成
子供たちの素質、才能の発見、向上の援助にもかかわらず、不幸にしてその実が実らない場合もあります。その場合には、自分が亡き後、そのお子さんが生計を維持していけるための原資となる財産を、具体的に特定し確実に相続できるよう遺言書を作成しておく必要があります。
また、最近の傾向として、残された奥さんが安心して老後を送れるよう遺言書ではっきり確定し、保証しておく必要がでてきているようです。
4 自己啓発への投資
人の一生はそう長いものではありません。「俺は、まあまあ良い生きかたをしてきたな」と最後の瞬間に感じることが出来れば、最高というものでしょう。
ご自身の趣味、生き甲斐のために必要な支出は、事情が許す限り、惜しむべきでない支出であると考えられます。これにより、物事の見方、考え方に幅がでてくるでしょう。一生の中で、相続対策もその中のほんの一部というように考えることができるようになれば、その対策も幅がでて、大所高所からの判断が可能となることと思われます。 |