不動産の取得による相続税対策は以下のような仕組みで行われます。
これは、 土地の取得価額と路線価のギャップ、更地と貸家建付地の評価額のギャップ、建物建築費と固定資産税評価額とのギャップ、更に貸家評価とのギャップに注目したものです。
土地 100坪 坪当 500万円 計5億円
(路線価 坪当250万円 借地権割合 70%)
建物 120万円 × 100坪 × 300%=3億6,000万円
取得価額合計(全額借入金) 8億6,000万円
相続税評価額
土地 100坪 × 250万円 × (1−0.7(借地権割合) × 0.3(借家権割合)
=1億9,750万円
建物 3億6,000万円 × 0.5(固定資産税評価割合) × (1−0.3(借家権割合)
=1億2,600万円
8億6,000万円の借入を行って土地及び建物を取得して、それを賃貸することにより、5億3,650万円の評価減を計上することができます。これは、相続税対策としては極めて有効ですが採算面で考えると、赤字となる危険性はあります。バブル期以前は相続発生後の処分時に予想される値上り益でカバ−できると考えられていましたが、地価の動向によっては節税額以上の資産減少を招く結果となります。 |