(1) 生前贈与
後継者に自社株を生前贈与することは相続財産である自社株を減少させる効果があります。将来的に会社の業績が上がっていくと見込まれる場合には、評価額も上昇していきますので、特に効果的です。一挙に多くの株式を贈与すると贈与税の累進税率の影響から高額な贈与税を負担することになりますので、何年かに分けて贈与していくことがポイントになります。
まず、自社株の相続税評価額を算出し、株数に応じた贈与税額を試算して、受贈者の贈与税の負担額を見定めて贈与株式数をきめます。
(2) 譲渡
後継者にオ−ナ−の持ち株を譲渡する場合には、後継者が社長や取締役への就任時に行うことが有利です。社長就任を契機として、役員報酬を引き上げたり、役員就任に伴って、従業員としての在籍年数に応じた退職金を支払って自社株の購入資金に充てることが出来るからです。譲渡時点では、オ−ナ−の相続財産の総額に変化があるわけではありませんが、株式が現金に変わることにより、相続税の納税資金に充てることも可能になります。ただし、譲渡価額は相続税評価額になります。
また、従業員持株会等がある会社であれば、持ち株会に額面金額等で売却も可能ですので、支配権のおよぶ範囲以外の株式数を持ち株会に譲渡することも考えられます。 |