よい医療サービスを提供するためには、より優れた医療機器が必要ですが、これらの導入も、資金があってこそ可能となり医療サービスの向上につながります。また、経営の健全化は資金調達をもとに進めなければならず、資金の切迫は経営を極度に不安に陥らせることになります。病医院の健全化を具体的に進める上では、有利で効率的な資金運用と、調達先、調達方法を研究することが必要です。
損益計算書では利益が出ていても、資金面では設備投資過大などから資金が固定化して、資金繰りがつかなくなって倒産するケースがあります。これがいわゆる「黒字倒産」です。
資金管理では、一般的には資金繰表を使いますが、資金繰表は常に目先のつじつまを合わせているだけですから、これだけに頼っていると、本来の資金構造がおかしくなっても気づかないという恐れがあります。
そこで、資金の流動性が高いかどうか経営分析によって資金構造を見ていかなければなりません。
資金構造を見る方法として、流動比率、当座比率、固定比率、固定長期適合率、流動資金回転率、総資本回転率などがあります。
流動比率が高いということは、正味運転資金が大きいことを意味しており、資金を医療サービスに転嫁して、流れの速度を速くすれば資本回転率も良くなります。
また、最近の金融機関では毎期の利益と減価償却費との合計額で借入金の返済ができるかどうかを見るようになって来ています。損益が赤字でも必ずしも資金不足になるわけではありませんが、利益が出ないと結果的に資金も不足することになります。 |