結論から言うと、公表すべきということになります。上場企業を例にとって説明すると、上場企業は、ワンイヤールールに基づいて毎年予算を立て、関係者に公表しています。決算の2〜3ヶ月前から次年度の予算編成方針に基づいて、かなりの労力と費やして予算編成作業にとりかかり新年度に備えようとします。予算は経営管理の有効なツールとして、当面 1 年間の当該企業の活動計画とそのための数値を表わすものです。 1 年の活動計画を締めくくる決算で計画通りであったか、利益はどうであったかという反省が行われ、予算編成の甘さや正確さが議論されます。予算の役割は、顧客には安くて良い商品や適切なサービスを提供し、従業員には高賃金と快適な労働条件を、株主には高率で安定した配当を、といった具合に社会との約束事を果たすために1年という短期業績管理のツールとして、経営者が最も神経を使っています。
これを病院経営に置き換えて考えると、顧客は患者であり、適切でかつ満足を得られる医療サービスを提供し、そのサービスを提供する職員により高い賃金を提供するために、目標となる利益額を設定しなければ実現しません。したがって、目標利益を上げるための目標収入と経費予算を設定し、全職員に周知徹底することが必要となってくるのです。
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