医療機関では、薬品管理、医療材料の管理などに「定数管理」を用いていることがほとんどです(定数管理をすることにより、デッドストックが節減されると考えられています)。
しかし、各病医院とも、定数管理している物品は比較的稼動しているものを「定数」配置しています。したがって、定数管理=デッドストック防止とはなりません。これが一般的な定数管理における盲点となります。
各部門から臨時請求される物品を管理できなければ、デッドストックは解消されません。できるだけ臨時請求を減少させるために、臨時で出庫される物品の管理と一般の定数管理とを分離して管理する必要があります。
臨時物品の定義は、「使用頻度は少ないが、患者様の状態により必要不可欠のもの」です。病棟に入院される患者様によって必要な物品は異なりますので、一般定数管理とは区別して管理を行います(特別定数管理)。
過去 6 ヶ月に臨時に供給された物品の動向を見て、特別定数管理の定数を設定します。供給は各部門からの臨時請求とします。そこで様子を見ますが、過不足が出ますので、用度担当者が 2 ヶ月ごとに病棟を定期チェックします。その次期に合わせて一般の定数管理品目と特別定数管理品目について見直しをします。場合によっては、一般と特別の入れ替えも行います。
この定期チェックを行うことで、各病棟での二重請求による過剰在庫、請求漏れなどによる急な不足なども解消できることになります。業務は完全ではありませんが、かなり合理化されます。供給金額についても、特別定数管理物品の金額が徐々に減少されます。この業務を円滑に行いますと、定数管理の盲点は改善されてきます。
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