戦略とは、もともと軍事用語ですが、病院経営に置き換えて定義すると、「長期的な視点で経営活動の基本的な方向付けを行うこと」ということができます。したがって、経営者(理事長・院長)及び中間管理者(事務部長・看護部長・医局長・看護師長、科長・課長)がそれぞれ与えられた役割について、頭を使って、最大限にこれを果たすことが戦略的経営を実現する効果的な方法です。
経営戦略の実行は、望ましい経営のやり方を病院の経営プロセスに乗せることであり、院長が病院全体の方向や基本的手段を決定し、これに基づいて医師・看護師等、コ・メディカル、事務などの各機能の中間管理者が、それぞれの責任の戦略的対応を決定し、実行することです。
つまり、病院の経営管理を戦略的にやるには、各中間管理者の行動が病院全体の方針の中で正しく位置付けられ、それぞれの努力が病院全体の業績の最適化や戦略実現につながっていくようになることが戦略経営のねらいとなります。
病院経営戦略の基本は、外部環境の変化に対応した病院の医療活動のあり方の変更ですが、その性格に従って、外部に対する戦略と内部に対する戦略を区別することができます。例えば、診療科目と患者ニーズの組み合わせに対応するのは外部志向的戦略であり、組織の活性化やコストダウン戦略は内部志向的戦略となります。
戦略の原理は、 @ 目的を手段に適合させる、 A 常に目的を銘記する、 B 最小予期路線を選べ、 C 失敗した後それと同一の線に従うな、 D 相手の予期していないスキをつくこと、 E 相手の手薄なところを攻撃せよ、 F 戦いは連続したプロセスである。常に次のステップを予期せよ、 G 計画に柔軟性を持たせよ。 H 相手の油断を突け、 I 攻撃には創造性が必要である−等があります。
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