同一の症状や病気で複数の医療機関を受診した経験を持つ人は、決して少なくありません。
他の医師からセカンド・オピニオンを受けることは、患者の自己決定権を尊重し、これを支援する上で非常に重要であるとともに、医師からも積極的に提案すべきです。
医療サービスは、その高い専門性から事前に比較検討することは困難で、知識を持たない患者がサービスを評価し、選択することは厳しいといえます。
検査等を再度実施することは、患者の身体的負担も大きくなるほか、医療費の過剰にもつながり、医療制度改革が目指す効率性にも逆行する結果となります。
患者が安全で安心できる医療を実践するには、患者が納得できる診療内容を提供することが必要です。近年増加する医療過誤訴訟においても、一定の治療を受けた後に疑問を抱く患者が増えていることが要因のひとつといえます。
患者視点の医療では、主体的な選択のために十分な診療情報を提供することが求められますが、これに対応する情報基盤の整備とともに、日本医師会の指針として都道府県ごとに苦情相談窓口を設置することがうたわれています。
セカンド・オピニオンの推進によって、患者は安心できる医療の提供を受け、医療機関にとっては信頼を得ることができるといえます。 |