急性期病院として救急救命機能の強化を図ると同時に、急性期治療を終えて維持期に移行した患者の受け入れ体制を整備し、自宅退院が不可能な患者への対応を含めた医療体制を目指す場合は、急性期病棟に加えて療養病棟、回復期リハビリテーション病棟を併設もしくは隣接したケアミックス型病棟編成を検討する必要があります。
急性期治療を終えても、日常的に高度で複雑な医療措置を必要とする疾患を有する患者、あるいは入院が長期にわたる療養患者については療養病床の対象とすることがふさわしいと考えられますが、急性期治療の後に積極的なリハビリテーション等の密度の高い医学的管理を必要とする患者に対しては、平成 12 年診療報酬改定で新設された「回復期リハビリテーション病棟」の適用対象とすることが相当といえます。
回復期リハビリテーション病棟は、脳血管疾患や大腿骨頚部骨折等患者を発症後早期に受け入れ、 ADL 能力の向上と自宅退院を目指したリハビリテーションを実施することを目的とする病棟です。但し、適応疾患や発症から入院までの期間などに制限があるため、一般病床・療養病床と機能を分化させることが必要です。
回復期リハビリテーション病棟入院料は、その算定対象患者が平均在院日数計算の対象外になりますが、一般病棟・療養病棟のいずれでも算定することができます。
介護保険制度の導入によって、療養病床は医療保険型と介護保険型を医療機関が選択できることになりましたが、医療保険型の主要な機能として、リハビリテーションが挙げられ、今後は医療保険適用型が回復期リハビリテーション病棟と特殊疾患療養病床の二つに収束され、これと介護保険適用型の機能・役割分担が明確になっていくものと考えられます。 |