第四次医療法改正による病床区分選択を決定する際に、将来の自院の方向性を検討する材料として、経済的メリットを測定する方法のひとつに「差額分析」を採用した医療機関も少なくないと思われます。
とりわけ「療養病床」を柱とした病院運営を目指す場合には、病床あたりのスペースが一般よりも広いものを求められることから、重要な手法であったといえるでしょう。
入院患者数の減少は医業収入の減少に直結しますが、患者数の維持のために取りうる方法に伴って予想される収入の増減から費用の増減を差し引いた額がプラスになるかどうか、すなわち増分利益が発生するか否かが判断材料となります。
つまり、経営計画に関係する収益と費用の増加分だけを試算し、比較するという手法です。
例えば、医業費用は、材料費、給与費、経費、減価償却費等から構成されており、これらの各費用が消耗度や業務量、人員数により受ける影響を予想し、増減を試算することができます。そして、経営計画のために投下したコストの回収、見込まれる収入増から、経済的メリットを測定するというものです。
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