平成14年4月にまとめられた厚生労働省「医療安全推進統合対策報告書」においては、患者相談窓口の設置、電子カルテ等ITの推進、クリニカルパス導入等を推奨しています。つまり、広告規制緩和は、医療機関にとってこれらの内容を満たそうとするインセンティブとしての役割を担っているものと考えられます。
こうした観点からは、その重要性が、広告が可能となる項目について医療機関内部で積極的に取り組み、広く医療の質向上を図っていくことに他ならないともいえ、医療機関は、「広告の規制緩和項目は、他の医療機関との競争優位性を確保する項目」として捉え、実行していくべきです。
また、医療法上の「広告」に該当するか否かについては、社会通念上総合的に判断されるものですが、医療機関がその業務概要をまとめ定期的に公表する年報や来院患者用パンフレット等、専ら医療機関の概要について客観的に情報提供を行うものは「広報」であって「広告」には該当しないとされています。
したがって、現在可能となっている広告事項に限らず、現状とあわせて今後どのような広告が可能になり、それら項目にどのように対応していくのかについて、個々の医療機関内部で理念や戦略との適合を図りながら意思決定を行い、実行していくことが重要であることを強く認識する必要があります。
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