医療技術の発展、進歩に伴い、ディスポーザブル容器の使用量も増加して来ました。これにともない、医療機関から排出される廃棄物の量も飛躍的に増加しています。ディスポーザブル容器の発展により、器具の洗浄、滅菌の手間が大幅に省けた分、コスト高、廃棄物の増加、これにともなうリスク管理の必要性も大きくなってきました。 医療廃棄物のリスクマネジメントの基本はまず分別することから始まります。
廃棄物の分類は大きく分けて
@ 一般廃棄物(紙、生ごみなど)
A 非感染性の医療廃棄物(プラスチック、ビン、ガラス容器、など)
B 感染性廃棄物(患者の血液が付着したものなど)
があります。
これらの処理の具体的な方法は法律に基づいて行われることになりますが、院内でリスクマネジメントの対象になるのは感染性の廃棄物になるかと思われます。感染性の廃棄物の管理について主なポイントを挙げてみます。
@ 感染性廃棄物のうち二次感染の起こりやすい鋭利な廃棄物(注射針、ガラス類)は、他の感染性廃棄物と分けて保管する)このさい、対貫通性のある容器を用いること
A 感染性廃棄物を保管する容器にはバイオハザードマークをつけること
B 保管は定められた場所とし、施錠するなどして関係者以外の立ち入りができないようにすること
C 保管場所には取扱の注意事項などを明示し、保管期間をできるだけ短くすること
D 廃棄処理をするものにあってはマニフェストの記入を必ず行うこと
E 院内処理に当たっては定められた手順で行うこと
F 処理を外部に委託するに当たっては、定められた処理業者であること
等が挙げられます。
廃棄は日常つねに発生する行為ですが、様々なリスクをはらんでいることから、組織的なリスク管理を行うことが大切です。
|