インシデントレポートや事故報告書は、個々の事故やインシデントの実態を把握し、その防止策を考える上で重要な情報です。インシデントレポートや事故報告書は始末書ではなく、事故の再発を防ぐための重要な情報であるとの認識を深めて、事故を起こした当事者ばかりでなく、事故やインシデントの発見者など、全職員が気付いた時点で記録され報告されることが必要です。
内容については、目的に応じて簡単な項目から詳細な項目まで考えられます。また、すべての事故を1つの様式で報告するものや特定の事故に焦点を当てて作成された様式もあります。 記録を作成するために多くの時間を使って書かなければならない報告書では、提出が困難となります。病院の規模や事故の数によって、どのような様式を選択するかは各施設で考える必要があります。
また、事故当事者の上司である管理者は、インシデントや事故の状況について、当事者の意見にとらわれずに自ら事故現場を点検したり、当事者の意見を聞くなどの調査を行って、不十分な記載内容を補い、行った管理指導の内容についても記述します。
組織として検討が必要と判断したインシデントや事故については、プライバシー保護のために個人名を削除するなどして、リスクマネジメントに関する委員会での検討用資料とします。
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