医師と患者の関係については古くから研究されています。一般に用いられるのは、 1956 年にSzaszらが発表した「医師・患者関係の3基本類型」と呼ばれるものです。医療行為に関する医師と患者の役割に注目したモデルであり、これによると、医師と患者の関係には次の3つのパターンが考えら得るとしています。
T .積極−受動型
医師が主導権を握り、患者さんは単なる客体としてのみ存在する類型
U .指導−協力型
医師が一定の方向を示し、説得し、患者がそれに納得し従う類型
V .相互参加
医師が自分の専門知識・技術を持って患者さんを援助し、患者さんがその援助を前提にし、自ら主体的に疾病の克服を目指す類型
このモデルが発表された 1950 年代には感染症や急性疾患による救急医療、急性期医療多く、 T のパターンが中心でした。しかし近年の疾病構造の変化や医療技術の発達により、どのような治療を望むか、どのような死を望むか、といったことも患者さんが選ぶ時代となってきました。
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