定量分析が可能であるという前提で、リスクの大きさは次の式で表されます。
リスク = 被害の大きさ × その発生確率
したがって、蓄積してきたインシデントレポートや記録類を基に、各々の被害(医療事故)について、大きさと発生頻度をレベル分けする必要があります。
@ 被害(医療事故)の大きさ
対象とする手順や業務において、それを誤ったことによる被害の大きさをレベル分けする
例)
・破局的 :複数の死亡または重傷の可能性
・重大 :1例の死亡または重傷の可能性
・軽微 :負傷の可能性
・無視可能 :負傷の可能性はほとんどあるいはまったくない
A 被害(医療事故)の発生確率
対象とする手順や業務において、その被害が発生する頻度をレベル分けする
例)
・頻繁に : 10 %以上
・しばしば : 1 %〜 10 %
・時々 : 0.1 %〜1%
・起こりそうにない: 0.001 %〜 0.1 %
・起こりえない : 0.001 %未満
こうしたレベル分けの上で、各業務のリスクレベルを判断し、総合的にリスクの大きいものから、便益性を考慮しつつリスクを低減していくことが必要です。
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