医療の特性のひとつに「不確実性」が挙げられます。これは、患者個々に症状も体質も異なることから、施術する医療については結果を予測しにくいということです。それ故に予測外の事象としての医療事故も起こりえます。こうした「不確実性」をどれだけコントロールできるかが、リスクマネジメントを考える上でのキーワードとなるでしょう。これには、インシデントレポートの作成、分析といった部分的な是正処置だけではなく、 TQM や ISO への取り組みといった組織全体体制整備が重要となります。また EBM に基づく診療方法の標準化やクリティカルパスの導入など、少しでも不確実性を取り除くことにより、医療事故防止へつなげることが可能となります。
医療提供側の体制整備として「不確実性の排除」が挙げられる一方で、患者側が医療情報を十分にもち、納得と同意の上で診療をうけることで、大きなリスクを回避することが可能です。そのために重要となるのが「インフォームド・コンセント」です。医師からの一方通行ではない、患者の理解の上での同意をめざす、真の意味でのインフォームド・コンセントが必要とされています。
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