ご質問のような制度を導入するには、以下の点に留意が必要です。
(1) 時間外労働した時間については、割増賃金を支払う。
(2) 代休に振替えた日については、有給とする。
(3) 代休は必ず同一の月(同一の賃金計算期間)に取得させる。
(4) 本人には代休に振替える都度、意思確認を行う。
ご質問の意味を言い換えると、残業に対して割増部分( 0.25 の部分)のみを支払って、その時間に対する所定内賃金( 1.0 の部分)は支払わず、時間外労働が8時間に達したときに代休に振替える(代休を有給として、代休取得日に通常の賃金を支払う)ことが認められるかどうかということになりますが、このような取扱いは、代休が当該賃金計算期間に取得され、残業時間に相当する代休に対して通常の賃金( 1.0 の部分)が支払われる限り違法ではないものと解されます。
しかし、代休の取得については、本人の選択に委ねられていることが多いため、代休を付与したのちすぐに取得されないケースが考えられます。もし、代休が、時間外労働が8時間に達したときの属する賃金計算期間中に取得されなかったときは、残業時間に対する通常の賃金が支払われないことになり、労働基準法第 24 条第1項の「賃金全額払いの原則」に違反することになります。よって、代休に振替えること(残業時間が 8 時間に達したこと)を本人に告げ、同期間内に代休を取得することを確認しておく必要があります。
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