就業規則に機密保持義務及び機密漏洩に対する罰則規定がある場合には、在職中の職員については、その定めに基づいて処分を行うことができます。また、退職後の職員については、営業上の秘密に接した者について、守秘義務契約を締結しておけば、もしこれに違反して機密を漏洩し病院が損害を受けた場合に、損害賠償等の法的措置をとることが可能です。
まず、在職中の職員に対しては、就業規則に機密事項に関する守秘義務の定めと守秘義務に違反したときは懲戒処分にする旨の規定がある場合には、実際に機密を漏洩した職員を懲戒処分することができます。
次に、退職後の守秘義務については、企業独自のノウハウや技術等については、一定の範囲で退職後も守秘義務を課すことが認められるものと考えられます。したがって、不正競争防止法に定められている「秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないもの」については、退職時に守秘義務契約を締結しておくことによって、機密を漏洩した者に対して損害賠償請求をできるものと考えられます。なお、これらの誓約に違反したときは、損害賠償請求をすることがある旨を付記しておくとよいでしょう。 |