在職証明書は、企業等に使用される者が、自己の社会的信頼性等を証明するために、勤務先の企業名や勤続年数また担当職務や役職位等について会社から証明を受ける書面で、住宅資金の融資審査を受けるときや就労する女性がその子を保育園に預けるときなどの証明書類として広く使用されています。 在職証明書は、法令で定められた証明書ではなく任意のものですので、その発行手続きや申請書の記載事項等は任意に決めることができます。したがって、貴院のように、「使用目的」を記入することとしても差し支えありませんが、当該証明書の性格からみて、使用目的を把握しないで証明書を発行したとしても特段のリスクが生じるとは考えられないことを勘案すると、使用目的の記載を発行要件とする必要性はないものと思われます。したがって、申請書に使用目的欄があること自体は問題ではありませんが、その記載を証明書発行の絶対条件とすることは行き過ぎかと思われます。
また、二つめのご質問ですが、発行者名は、院長名である必要はなく人事部長名でも差し支えありません。在職証明書その他各種証明書類の証明は、通常「使用者」が行ないますが、労働基準法第 12 条では、使用者を、「事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう」と定めており、使用者は院長に限定されるものではないからです。 「人事部長」は、一般に、法人の「機関」であり、前述の労働基準法上の「使用者」に該当しますので、提出先が特に「代表者による証明」を求めるものでない限り、人事部長名でも有効と考えてよいでしょう。 |