住民票には、請求者本人の氏名、性別、続柄、生年月日、現住所(転居したことがある人の場合には旧住所)等のほか、請求者の求めに応じて、本籍地や同一世帯に居住する家族等の情報も記載されます。このため、同和問題への配慮等から、入社時の提出書類等に関して、次のような行政通達が出されています。
即ち、「就業規則等において、一般的に、採用時、慶弔金等の支給時等に戸籍謄(抄)本、住民票の写し等の提出を求める旨を規定している事例があるが(中略)、これらについても、可能な限り『住民票記載事項の証明書』により処理すること」(昭 50.2.17 基発 83 号、婦発 83 号、平 9.2.21 基発 105 号)としています。また、「戸籍謄(抄)本及び住民票の写しは、画一的に提出又は提示を求めないようにし、それが必要となった時点(例えば、冠婚葬祭等に際して慶弔金等が支給されるような場合で、その事実の確認を要するとき等)で、その具体的必要性に応じ、本人に対し、その使用目的を十分に説明の上提示を求め、確認後速やかに本人に返却するよう指導すること」(同通達)としており、採用後であれば、本籍についての記載を要求しなければ、住民票でも特段の問題はないと思われます。
なお、現在のところ、この件について法律で義務化されるかどうかは不明ですが、可能性はほとんどないと思われます。 なお、『住民票記載事項証明書』の場合には、住所地の市区町村役場または出張所に備えられている用紙で、氏名、生年月日、現住所等の最低限必要な事項を証明してもらうことができます。また、最低限必要な事項のみの内容であれば、会社が任意に作成した用紙に証明してもらっても差し支えありません。
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