病院に求められる人事制度は「役割+能力基準」
これまで病院組織は、年功型の人事制度を中心となってきたために、本人の能力ややる気、適性にかかわらず管理職への登用が行われてきました。従って、本来の管理職の役割と、そのポジションの役割遂行に必要な能力が不明確であり、あるべき管理職としての姿がなかったといっても過言ではありません。このため、能力のある若手がしかるべき役割を与えられず、無能で高給の管理職のもとでつぶされる、優秀な人材が流出する、モチベーションは低下し、組織は硬直し、パフォーマンスが低下する、といった悪循環が発生しているケースは決して少なくありません。
この悪循環を断ち切るために、経営ビジョンと戦略に基づいたあるべき組織体系を明確にし、そのなかで管理職が果たすべき役割と保有すべき能力を明示した人事制度こそ、今日の病院に必要なシステムだと言えます。
人事制度は大きく分けて1)資格制度2)目標管理制度3)能力開発制度4)評価制度5)処遇制度の5つの制度から成り立っています。中でも資格制度は他の制度の根幹となる仕組みであり、病院が職員に対して何を求めるか、が制度の基準となります。ここでは、組織が効率的かつ効果的に機能する基準として「役割+能力」の二つの基準を組み合わせた、まったく新しい人事制度、すなわち「経営ビジョン達成型人事制度」構築を提案しています。
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