平成 11 年( 1999 年) 4 月より、厚生労働省は国民の健康づくり運動「健康日本 21 計画」をスタートさせています。この運動は、 @ 栄養・食生活、 A 身体活動・運動、 B 休養・心の健康づくり等の対象分野について、 2010 年までを期間として具体的な目標を定めていますが、その最も重要な部分が「生活習慣病」対策となっています。
基本方針として掲げられている項目は次のようなものです。
(1)一次予防の重視
健診による早期発見又は治療にとどまることなく、健康を増進し、疾病の発病を予防する「一次予防」に一層の重点を置いた対策を推進する。
(2)健康づくり支援のための環境整備
健康に関わる様々な関係者がそれぞれの特性を生かしつつ連携することにより、生活習慣を改善し、個人が健康づくりに取り組むための環境を整備し、社会全体として総合的に支援する。
(3)目標等の設定と評価
健康状態等に関する情報を共有し、現状及び課題について共通の認識を持った上で、保健医療上の重要な課題を選択し、科学的根拠に基づいて、取り組むべき具体的な目標を設定し、目標に到達するための具体的な諸活動の成果を適切に評価して、その後の健康づくり運動に反映できるようにする。
(4)多様な実施主体による連携のとれた効果的な運動の推進
個人による選択を基本とした、生活習慣の改善等の国民の主体的な健康づくりを支援するため、マスメディア等による広範な情報伝達手段や保健事業を活用した個別健康教育等により、それぞれの特徴を生かしたきめ細かな情報提供を推進する。
また、地域住民全体に対する働きかけと生活習慣病を発症する危険度の高い集団への働きかけを、適切に組み合わせる等により、対象者の特性やニーズ等を十分に把握しながら、運動を効果的に推進することに配慮することが重要とされています。よって、患者や地域住民に対する「運動療法」等の予防給付のほか、健康相談や疾病発症前の健康増進に関する指導等の取り組みが考えられます。
さらに、こうした視点に基づき、現在実施されている老人保健事業との相互連携が、効率的かつ一体的に実施されることが求められるといえます。
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