医療制度改革でうたわれるように、現代は少子高齢化の波が押し寄せており、産婦人科の需要が減少することを危惧される病院もあるでしょう。
産科と婦人科に分けて、今後の病院経営を検討するポイントは次のように考えられます。
(1)産科
周産期医療に関する機能強化は、正常分娩の妊産婦を含めて患者の信頼を得る効果的な方策のひとつです。それには、他の診療科との技術的・人材的な連携を深め、提供する診療体制そのものに対する信頼を向上させ、総合病院における診療科目はないという不安材料を除去することが必要です。
また、妊産婦に対しては、分娩のための入院環境・アメニティの整備によって、綜合病院や競合病院との差別化をはかるべきです。
さらに、助産婦外来や不妊外来等も専門性をアピールできるといえます。
(2)婦人科
成人女性、あるいは仕事を持つ女性を対象とした女性外来を設置し、ストレスを原因とする婦人科疾患への対応・相談を専門的に扱うことは、大きな誘引効果があるものと考えられます。その際には、心療内科や神経科との連携も密にし、カウンセリング機能に重点を置くことも有効でしょう。
さらに、骨代謝疾患を扱う専門医や整形外科、リハビリ科との連携によって専門性を際立たせることも検討すべきです。
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