外科系専門病院であれば、手術中心の診療体制であることが求められます。そのため、診療材料や人件費等のコストが高くなるのは必然的と考えられることから、手術症例数の大小と経営状況との関連を重視している病医院もあるのではないでしょうか。
一般に、手術症例が少なければ入院患者の病態も軽症になります。この場合、患者回転率と付加価値は高くなりますが、これによって必ずしも経営状況が良いものになるとは限りません。
例えば、救急で受け入れる軽症患者を多く扱う場合には、個別の症例件数は増えても技術的な向上は望めないほか、院内の組織や医療提供体制における活力の低下等の影響も考えられ、軽症患者を対象として症例件数を増やすことはメリットばかりではないといえます。
また、整形外科はリハビリテーションと密接な関係があり、手術症例の増加は急性期あるいは回復期リハビリテーションの件数も増加することを意味します。同時に、リハビリ部門の活性化につながることになります。
さらに、クリニカル・パスを導入することによって、病床運営の計画性も確保することができるため、整形外科に特化した病院経営は効果的な戦略策定が可能だといえます。
手術を主体とする急性期の整形外科病院として、外来診療や在宅医療への展開も考えられます。ただし、やはりポイントとなるのは、提供する医療すなわち医師の資質レベルとマーケティング手法ということになります。
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