平成 15 年 8 月の第四次医療法改正による新しい区分に基づく病床(一般・療養)の届出によって、各医療機関が自院の病床区分を選択しました。
今後、自院の病床機能を選択していくことになりますが、慢性期病院を目指す場合には、全床が療養病床あるいはケアミックスの病院では、看護部のほかに介護部を設置するケースもあるようです。
老人保健施設等のケアワーカー主体の施設においては、療養環境としての介護を中心とするケアが実施されることから、介護部が適切と考えられますが、医療施設である療養型病床においては、看護部が主体となったケア・システムを構築することが望ましいでしょう。つまり、看護部の管理下として介護部を設置するパターンが適切であろうと考えられます。
療養型病床は、老人保健施設との競合が予想されることから、医療の提供のみならず、療養環境というアメニティ面を強化して差別化を図ることが生き残りのキーポイントとなるといえます。ここでは、介護事業サービスの活用の検討や、福祉施設・業界との連携も必要となるでしょう。
また、介護の現場では、ケアを受ける側の満足、すなわちCSの視点が欠けがちとなります。長期入院患者や療養者の心理に配慮が及ばない部分は、臨床としての医療提供からのアプローチによって補うことができる場合もあります。
さらに、療養型病床には、医療保険適用型と介護保険適用型の2つがあり、後者にはケアワーカーの配置が定められているように、療養型病床と介護事業は、相互に関連し重なり合うサービスを提供しているのですから、それぞれの機能を補完しあうことで、他との差別化を図っていくべきでしょう。
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