賃金はもともと、労働の対価(代償)として支払われるものですから、遅刻、早退等によって労務の提供がなかった時間分の賃金を支給しないこととしても、 " ノーワーク・ノーペイ " の原則に基づくもので、何ら問題ありません。 しかし、 " 減給の制裁 " は、「労務提供がなされ、本来支給すべき賃金の一部を控除すること」ですので、次のような法律上の制限が設けられています。
(1) 1事案に対する減給額は、平均賃金の1日分の半額を超えないこと。
(2) 複数事案に対して減給する場合にも、一賃金支払期における賃金総額の10分の1を超えないこと。
したがって、遅刻3回を欠勤1日とする取扱いは、「1事案に対する減給額は、平均賃金の1日分の半額を超えないこと」という規定に違反となる可能性があります。
このようなケースで遅刻や早退に対してペナルティを課すには、
(1) 遅刻または早退が3回以上になった場合には精皆勤手当を支給しない
(2) 遅刻または早退(合理的理由のないもの)が3回以上に及んだときは不就労時間の賃金を控除する
ほか、平均賃金の1日分の半額を控除するなどと定めることなどが考えられます。
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