「事業場外労働みなし労働時間制」は、事業場外で労働時間の全部または一部の労働をし、労働時間の把握が困難な場合に採用することができる制度です。この制度は、1日の労働時間について、所定労働時間または労使協定で定めた時間労働したものとみなす制度ですから、もともと労働日でない休日に労働した場合にまで「みなし労働時間」が適用されるわけではありません。したがって、休日に労働した場合には、「休日労働」として別途その時間を把握し、その時間に対して賃金を支払わなければなりません。
しかし、出張中、休日に移動しなければならない場合に、旅行時間(前泊を含む)は労働時間となるかという点について、行政解釈では、「その日に旅行があっても物品監視等別段の指示がなければ、休日労働と扱わなくてもよい」としています。したがって、休日の旅行時間は労働時間とはなりません。
しかし、休日の旅行(移動時間)は、出張命令に基づいて行われるものですので、広い意味では、使用者の指揮命令下にありますので、何らかの処遇が必要と思われます。具体的には、宿泊費や交通費とは別に、一定の手当(例えば「日当」など)を支給するのが妥当と思われます。 |