上肢の一部を過重に酷使する業務に一定期間従事していることなどの要件を満たせば、上肢障害も業務上災害として認められます。
頚骨腕症候群や腱鞘炎などのような上肢の障害は、日常生活(家事 , 運動等)の中で発症する場合や、また個人の肉体的要因(加齢、体力、体質等)により発症する場合もあり得ます。したがって、このような障害が業務を行うことによって発症したか否かを判断するときには、業務以外の要因の関わりについて考慮する必要があり、これらを考慮してなおその災害が業務を行う上で上肢の一部を過度に酷使したために発生したと認められれば、業務上災害として取り扱われることになります。
具体的には、次の要件を満たす場合には、医学上療養が必要であると認められ , 特に業務起因性を否定する事実が認められない限り、その上肢災害は業務上災害と認められます。
(1) 上肢等に負担のかかる作業を主とする業務に相当期間(原則として6ヵ月以上)従事した後発症したものであること。 (2) 発症前に過重な業務に就労したこと。 (3) 過重な業務への就労と発症までの経過が、医学上妥当なものと認められること。 |