オリンピックの女子マラソンで金メダルをとった高橋尚子選手の監督である小出さんの育成方法が話題になっています。彼は徹底的に誉めて育てるという方針をとっています。誉めることによって見事にアウトプットが出たわけです。また最近の若い親は子供を叱らなくなってきているようです。会社の中でも同様の傾向があります。世の中の風潮として昔ほど “ 叱る ” ことがなくなってきているのかもしれません。叱らなくとも望む結果が出れば(高橋選手のように)、無理に叱る必要はないでしょう。
ここで考えなければならないのは、なんの為に “ 叱る ” のかということです。上司が部下を “ 叱る ” とき、それは考え方・スタンス・行動を変えて欲しいからです。そして何度言っても行動が変わらないから、ということもあるでしょう。いずれにせよ目的は行動変革です。ですから叱るのはその方法の一つであると言えるでしょう。叱るとは、辞書を引くと “ 責め、とがめる ” とあります。その他の方法にも、誉める、諭す、アドバイスする、共に考える・・・部下の性格や特徴、状況等を判断しながら使い分けることが、目標達成(部下の行動変革)の近道ではないでしょうか。
確かにその方法の一つである叱る行為の比重は少なくなってきています。本来ならばここはアドバイスや諭すのではなく “ 叱る ” のが最も功を奏すと思われる場面でも叱らない、これは問題です。何故なんでしょうか?考えられる主な理由は以下の通りです。この他にも色々あると思いますが、参考にしてください。
1. 叱り方がわからない(自分が叱られたことがない)
叱ろうと思っているのだが、その効果的方法がわからず叱れない
2. 叱る(怒りの感情を伴う)ことは悪いことだと思っている
悪いことだと思っていると、人間は行動に移せない
3. 感情的になるのは大人気ない
特に日本人はこの傾向が強い。理性的に行うのが良いと思っている
4. 部下への無関心・責任のなさ
自分の子供は叱るが隣の子供は叱らないのと同じ論理
5. 叱った後の部下との関係や行動に対する恐れ
辞めてしまうのではないか、人間関係がまずくなるのではないか等
6. 自分に自信がない
本当にこれでいいのかと迷ったり思っていたりする
大切なのは、部下の行動変革です。方法はたくさんありますので、それを柔軟に使い分けるということです。そして、この状況では叱ることが最も効果があると思われたときに、それを躊躇わずに上手く使えるか、ということではないでしょうか。
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