ご存じのように OJT とは On the Job Training の略で、仕事を通してのトレーニングということになります。正しく実施すれば、職務に関して最も効率的で有効な方法と言えるでしょう。最大限のアウトプットを狙うとすると、指導する立場の人をまず教育してから、進めることです。自分ができることと、それを人に伝えることとは別の次元の話です。また OJT とは名ばかりで、殆ど実施されていないケースも多々あります。ですから、こうしたことを防ぐ為にも教える側の意識付けと、方法の伝授は必要なのです。
スポーツ界でも現役時代は最優秀選手でも、コーチや監督となるとサッパリという人もいますし、逆のケースもありますね。また、教えられる側の立場にとって、当たり外れがあってはたまりません。ある程度均一化させておくという観点からも重要です。
そして OJT を実施する側の定期的ミーティング等を持つとよいでしょう。お互いの実施状況の共有化や問題解決を行える場を設けるだけでも、効果はアップします。また社員を育てるという風土を徐々に作り出すことも可能です。
さて、 OJT を始める前に定義を押さえておくと、効果的な運用が可能です。
1. OJT は「計画的な努力の過程」である。
仕事をするときは、知識・技能・態度が必要です。現段階での能力と、必要なレベルの能力にギャップが存在するとき、教育が必要となります。ですからどのような能力をどのレベルまで、または、いつまでに向上させるかという計画的且つ継続的な指導育成の過程であると言えます。
2. OJT は「重点的に指導・育成する」ことである。
指導・育成する範囲は極めて広いといってよいでしょう。あげればきりがありません。
ですからその対象能力を重点的に絞って指導育成する必要があります。
3. OJT は「効果的な経験の場」を作ることである。
OJT は「教え授ける」ということだけではありません。どのような能力を開発するのにどのような方法を選択
するのか。それには「効果的な経験の場」を作るという意識が重要になってきます。ペーパー上や口頭で伝えておくだけでは駄目だということです。能力を発揮する場が必要です。
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