管理の仕方がわからないから出来ない、というケースが考えられます。またはやってみたが効果が現れなかったので、あまりやっていない、というケースもあるかと思います。南カリフォルニア大学の行動科学者ウィリアム・モブリー氏は面白い研究をして管理職のマネジメント能力向上の指針としました。ご紹介しましょう。
きっかけはゴルフでした。何故、あきもせずゴルフをするのか?ということです。周囲のゴルファーに聞くと「健康のため」「つきあい」「家にいても飽きる」「人と競い合うスリル」「気分が爽快になる」等の答えが返ってきました。が、果たしてそれだけなのだろうか?とモブリー氏は考えたわけです。ゴルフというゲームに備わっている特に効果的な動機付けの要因を分析し、それを仕事の動機付けに応用することを考えたわけです。仕事を頭におきながら、教授があげる5つの要因を見てみましょう。
1. 目標の明確さ
目に見えるピン(具体的、象徴的目標)がある。簡単には達成できないが、達成不可能ではない。自分のスコアと他の人のスコアがどれくらい差がついているのかが明確である。プレイヤー同士での競い合いも熱中の要因。
2. ゲームの完結性
ティーからグリーンまで完全に責任を持たされる。最終ホールまで自分の腕次第。
ゲームの終了と結果が明確である。
3. フィードバック
各ショットごとに、各ホールごとに、旨くいったか行かなかったかが明確である。
また 9 番 18 番ホールの後に、スコアというデータでフィードバックされる。
4. 多様な技能を駆使できる
ホールによってコンディションが異なる。または自分の判断や技量でクラブの種類を選んで使うことができる。また肉体的・精神的両方の要素が必要とされる。
5. 判断
距離の判断、グリーンの読み、クラブを選ぶ、スタンスを決める、グリップを整える、スィングを考える等、判断し実行を行うことができる。
確かに長時間に渡るプレーを持続させるだけの動機付けが揃っていると言えるでしょう。もしゴルファーの目にピンが見えず、パーを知らされず、年間の成績以外にはフィードバックを与えられず、一種類のクラブしか使えず、自分の判断を奪われたら二度とやる気は起こらないでしょう。
あなたは、そしてあなたの部下はこのような動機付けを与えられ仕事をしていますか?参考になさってみてください。
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