以前 NASA (米国航空宇宙局)でスペースシャトルの打ち上げが失敗し、日本人の宇宙飛行士も含め、多くの犠牲者が出たことがありました。直ちに調査委員会が設置され、調査が開始されました。その時大きな問題として2つ原因が指摘されたのです。その一つが「コミュニケーションの悪さ」でした。
上層部にインタビューすると「まさか、こんなことが起こると思っていなかった」と口をそろえて言い、より現場に近い層に聞くと「これは起こるべくして起こった。いつかはこうなるのではと思っていた」という意見が多かったそうです。つまり、現場の情報が上に伝わっていなかったのです。作業をする人と意志決定をする人との間にギャップがあったわけです。こうして上と下とのコミュニケーションの悪さが指摘されたのでした。
様々な企業でこれと似たようなことが起こっています。コミュニケーションとは非常に抽象的な言葉ですが、仕事上においては、情報の円滑な受信・発信と捉えると、解決策が見えてきます。ここで重要なのは報告・連絡・相談の大切さです。これを社内で徹底しているか、していないかでは随分とアウトプットも異なってきます。また円滑に仕事を進める一つのコミュニケーションの取り方と捉えていただければ結構です。
報告というのは、 1 )事前報告(着手報告) 2 )中間報告 3 )最終報告(結果報告) の3つです。仕事の内容にもよりますが、全てが終了してから報告を受けるよりも、その前に受けていた方が修正が効きますし、指示した側も安心です。 1 )の事前報告ですが、まずプランを含めて仕事の着手を報告させることです。 2 )は、その仕事の進捗度合いを報告させます。 3 )は、最後の報告です。誰にどのように報告するのか(口頭・文書・会議等)。この3つは徹底しましょう。
次に連絡です。連絡とは、その業務遂行上関わりが出てくると思われる関係者や関係部署にお知らせをすることです。耳に入れておいた方がよいと思われる人達です。仕事を円滑に進める上では効果的です。
最後に相談ですが、業務を遂行する上で、わからないことや疑問に思うこと等を、遠慮せず聞ける体制を整備しておくことです。自分が全て答える必要はありません。場合によってはどこの誰に相談したらよいかをアドバイスすることもできるはずです。
この報告・連絡・相談を上手く行えば、自然とコミュニケーションを密に取ることとなり、それが仕事を円滑に進めることとなります。無論、報告・連絡・相談しやすい職場の風土作りも欠かせません。「なんでも聞けよ」と言っておいて部下が実際聞いてきたら「そのくらい自分でやれ」と怒鳴るのでは、今後の報告・連絡・相談は期待できません。
|