トップから意外とよく聞かれる質問です。特に最近の若い人にその傾向が見られるようです。育ってきた家庭で「おはよう」「おやすみなさい」の挨拶がなかったことも一つの要因として考えられます。対策としては、以下のことが考えられます。
1. 上司が率先垂範で挨拶を行う。
上司からすすんで部下に挨拶をすることです。「おはよう」「お疲れさん」と声をかけるのです。部下には「挨拶をしろ」「挨拶は大切だ」と指示し、自分では言わないのでは全く説得力がありません。言葉だけでなく行動で示すことです。部下は上司の言葉に影響されるのではなく、行動に影響され見本とするのです。まず上司から徹底することです。
2. 挨拶がないときどう思うか?身近な例で考えさせる。
何故挨拶が大切なのかを話すことも重要ですが、挨拶がないことの悪影響を具体例で考えさせることも効果があります。分かりやすい身近な例で話すことです。
例えば、
1 )レストランに入ると「いらっしゃいませ」と言われなかった。席に誘導がなく、ウエイトレスも来ない。こちらから声をかけ、来たと思ったら無愛想にオーダーを聞くだけ。
2 )普段はあまり行かない高級店に買い物に行ったとき、チラッとこちらを見て知らん顔、従業員同士で話の続きに熱中。
こんな例を出して、「気分が悪いなぁ」とその場で思ってもらうことです。次にどんな場合だったら気分が良いかを考えさせるのです。
3. どんな挨拶だったらその人・その店・その企業に好感を持つかを考えさせる。
これも具体例を使うと良いでしょう。ご自分の体験談を話すのも説得力があります。
または、「こんな挨拶をされたら気持ちが良い」というのを考えさせるのも手です。逆に「これは不快だ」というものも平行して出してもらっても効果があります。すると「やっぱり笑顔があった方が・・・」「目を見て言ってくれる方が気持ちが伝わる」等が出てきます。
4. 好感の持てる挨拶のポイントを整理する
その後、ポイントを整理してまとめることです。
例えば
1 )笑顔
2 )声に抑揚をつける
3 )相手の目を見る
等が考えられます。ポイントがわかれば実行に移しやすいわけです。
挨拶の大切さを言うだけでは行動に起こしません。また形だけを教えても職場では定着しません。まずは上司の率先垂範、そして自分自身で挨拶の大切さを「気づかせる」ということが大切です。馬に水を飲ませるにはどうしたらよいか?池までは連れていけますが、「水が飲みたい」と思わない限り、水を飲ませることはできないのです。
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