年俸制の概念として、賃金支払形態、年収管理、賃金決定方法という3つの側面からとらえる必要があります。
(1) 賃金支払形態
労働契約を時間との観点からとらえたもので、時給、月給、年俸といった賃金を支払う形態でとらえたものです。会社への貢献度を 1 年間で決定するという考えのもと、賃金を決定する期間を 1 年単位でみることを意味します。
(2) 年収管理
少しでも人件費を節約するために、社会保険料の支払を考慮したもので、年間の総収入を決定し、賞与を高くして、月例給与を抑制する考えに基づいています。 年俸制対象者も 1 年で支給される額が決まっているので、月例給与の低さには目をつぶる傾向にあります。
(3) 賃金決定方法
厳密な能力、成果主義人事制度の確立のために導入される方法です。大幅な昇給もあれば、減給もあり、柔軟性に富んだ賃金決定を実現させます。
年俸制を採用する際は、これらを十分に検討した上で、年俸制導入の目的を明確化する必要があります。 |