職能給表を作成するためには、まず設計の型を作り、職能給傾斜の決定、昇給シミュレーションを行った上で職能給表としてまとめます。
(1) 設計の型の作成
職能給表設計には様々なタイプがありますが、ここでは代表的なものについて紹介します。 同一等級内の賃金には、号俸を用いた上で幅をもたせます。これは同一等級内でも、さまざまな能力の幅を持って、各付けされるためです。 等級間の賃金には、多少の重複を認める方法を採用します。特に能力主義人事制度への移行時は、各社員の現在の賃金を継承するため、運用がしやすくなります。ただし、重複型を採用するにしても、 2 つ上の等級と重複することは避けます。 最後に、等級内の昇給カーブですが、 1 つの等級に留まっていれば、能力の伸びは逓減するので、上位号俸になると昇給額も減少する逓減型が理想的です。
(2) 職能給傾斜の決定
職能給傾斜を昇格昇給と習熟昇給にどのように配分するかで、基本給の性格が変わります。昇格昇給を高くすると。職能給は格差の厳しいものになり、定昇も小さくなります。一方、習熟昇給を大きくすると、職能給は刺激の少ない年功給に近いものになってしまいます。
(3) 昇給シミュレーション
各社員の等級を決定した上で、現行賃金を新制度に移行し、数年先までの昇給シミュレーションを実施します。 また、職能資格等級フレームで設定したモデル経験年数をもとに、標準昇給した場合のシミュレーションも実施し、職能給表の検討を行います。 |