年功給は、性別、学歴、勤続で人を処遇します。その後、 1 年ごとに前年度の賃金に金額を上積みしていきます。よって、年齢給には、マイナスのベクトルはなく、毎年昇給される体系になります。年功主義人事制度では、キャリア形成と世帯形成を 1 本で表現した基本給を採用しています。一方、能力主義人事制度では、生活保障のための年齢給と労働対価としての職能給をあわせた併存型の基本給を採用します。
(1)年齢給
生計費を基準とした部分になります。生計費はライフサイクルにより決まりますので、通常、年齢給をベースとします。 この年齢給は、年齢とともに上昇する部分になりますが、マイナス昇給を行うことも可能です。例えば、 55 歳からはマイナス昇給を採用することもできます。 年齢給は、 18 歳から 50 歳くらいまで緩やかな S 字カーブで上昇させ、 50 歳から 55 歳まで横這い、 55 歳以降はマイナスとするのが一般的な考え方です。
(2)職能給
人事考課の結果を反映させる部分になります。仕事や能力を高めることにより昇給されていきます。職能資格制度で定められた等級に基づいて昇給額が定められ、さらに人事考課の結果により、この昇給額が上下します。 年齢は同一でも、仕事や能力には個人差が生じます。そこで基本給を以上で述べた年齢給と職能給によって明確に区分し、相互に独立して運営することが望ましいです。 これを賃金表という形で社員に明示することが必要となります。
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