職能資格制度の見直しの一つとして、最近コンピテンシーが注目されています。コンピテンシーとは、一般的に高業績者が恒常的に成果を達成する行動特性と定義されます。そこで、成果を上げるための根源であるこのコンピテンシーや発揮能力に応じて、評価する人事制度を導入する企業が増えています。
(1) 職能資格制度とコンピテンシー
職能要件書は保有している能力を表し、コンピテンシーは成果を達成するための行動を表現しています。例えば、前者は「〜できる」という表現から推察が入る余地がありますが、後者は「〜している」であり、機会を与えて、実際に本人が行動しているかどうかを評価する点に違いが生じます。
(2)コンピテンシーの項目
コンピテンシーをどの観点でとらえるかが重要ですが、下記に主な項目を取り上げます。
それぞれの項目について、高業績達成者の行動特性を調査し、まとめていく必要があります。これらを基準として、職務遂行行動や目標達成のプロセスでどのような優れた行動・発揮能力を行ったかが評価されます。 つまり、成果を上げるまでのプロセスも評価対象となり、成果主義の欠点である数値目標の達成のみに目が向けられることはありません。 |