能力主義人事制度を導入している企業においても、ベースアップは労使交渉で決定されます。
(1)ベースアップの考え方
社員は年齢や仕事、能力が年数とともに伸びていきます。これは年齢給や職能給に跳ね返り昇給します。 一方、ベースアップは日本経済や業界、企業の成長を受け止めるものです。ベースアップは、社員全員に適用されるので、労使間で交渉の上、決定されます。 近年においては、経済成長率の上昇はありませんので、ベースアップを見送る企業も増えています。
(2)定昇の検討
固定費の大部分は人件費です。企業の成長を見込むことが難しい現在、定昇を続けていくことは無理です。では、全社員の定昇をゼロにすればよいのかというと、そうではありません。社員の企業意識や愛社精神を守るためにも、人件費コスト増は確保しなければなりません。 そのためには、ベースアップの廃止、あるいは最小限に抑える、その上で職能給をより身近に期間で評価できる成果主義化など他の対策も必要不可欠です。 |