能力を基準として処遇を決定する職能資格制度を軸として、人事考課制度、賃金制度、能力開発制度を機能させるシステムがあげられます。
(1)職能資格制度とは
職能資格制度は、職務遂行能力(仕事に関する能力)を基準として、 7 〜 11 の等級に区分し、社員をいずれかの等級に格付けし、その等級に基づいた評価、処遇を行う制度です。
(2)職能資格制度導入の目的
(1) 能力主義
会社の目的を達成し、発展していくためには、一人ひとりの社員が能力開発を実施し、成果を出す必要があります。そのためには、能力の向上に応じた処遇をすることにより、社員のモチベーションを喚起し、合理的な人事運営をもたらします。
(2) 能力開発 定期的に人事考課を実施し、能力を評価していくことにより、社員のレベルと強み、弱みが明確になります。その弱みを教育を通じて、改善し、その改善が賃金に結びつくことになります。従って、職能資格制度を整備し、適切に運用することにより、社員は意欲的に能力開発に取り組むことになります。
(3) ポスト不足対策
年功的な人事制度では、社員の中高年齢化に伴い、ポスト不足が発生し、大きな問題となっています。各等級には、定員はありません。能力レベルに応じて、誰もが昇格できます。つまり、役職とは切り離された形で処遇が行われるので、ポスト不足の対策にもつながります。 |