裁量労働みなし労働時間制は、業務の性質上その遂行方法を大幅に従業員の裁量に委ねる必要があるような場合に、一定の要件を満たせば労使協定に定めた時間労働したものとみなすことができるという制度です。しかし、この制度は無制限に適用することができるわけではなく、業務の範囲が限定されています。 現在のところ認められているのは、 (1) 新商品または新技術の研究開発等の業務、 (2) 情報処理システムの分析または設計の業務、 (3) 記事の取材または編集の業務、 (4) デザイナーの業務、 (5) プロデューサーまたはディレクターの業務のほか、 (6) 労働大臣の指定する業務として、コピーライター、公認会計士、弁護士、一級建築士、不動産鑑定士、弁理士の業務の合計 11 種類の業務に限られています。
そこで、まず営業部門の企画担当者についてですが、その業務が広告のデザインやコピーライトなどが主たる内容である場合には対象業務となりますが、販促企画等を主な内容とする場合には対象業務とはなりません。また、営業担当者や営業支援部門についても、上記の対象業務ではありませんので、裁量労働制を適用することはできません(外勤の営業担当者で、主として事業場外で労働することが多い場合には、事業場外労働みなし労働時間制を適用することができる可能性があります)。 さらに、製造部門の技術スタッフについては、その業務が、上記 (1) の「新商品または新技術の研究開発等の業務」に該当する場合には適用することができますが、一般的に「技術者」とか「エンジニア」といわれる人々には適用することはできません。
Point :
裁量労働みなし労働時間制は、業務の性質上その遂行方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要がある業務に限って適用することができます。ご質問の営業部門の企画担当者については、適用できる可能性がありますが、他の業務には適用することはできません。なお、外勤の営業担当者については、事業場外労働みなし労働時間制を適用できる可能性があります。
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