フレックスタイム制では、フレキシブルタイムとコアタイムを設けることができますが、それらの設け方については法令上の制限はありません。たとえば、コアタイムを設ける場合、部署(課とか係)ごとに異なるコアタイムとしたり、日(曜日)によって異なるコアタイムを設けることもできます。また、コアタイムを各人ごとに定めたり、コアタイムの開始・終了の時刻を定めず、必ず就業すべき時間についてだけ定めることとしても差し支えありません。
ただし、「フレキシブルタイムが極端に短い場合、コアタイムの開始から終了までの時間と標準となる1日の労働時間がほぼ一致している場合等については、基本的には始業及び終業の時刻を労働者の決定にゆだねたこととはならない」とされていますので、注意が必要です。ご質問の場合には、就業すべき時間は「1日6時間以上」ということですので問題はないでしょう。
なお、労使協定書への記載方法は「始業・終業の時刻は、従業員の選択に委ねる」ことを明確にしたうえ、フレキシブルタイムの開始と終了の時刻を定めたあとに「フレキシブルタイムの開始と終了の時刻の範囲内で、1日6時間以上就業しなければならない」旨の定めをしておけばよいでしょう。
Point :
始業・終業の時刻が労働者の選択に委ねられている場合には、コアタイムを設けず、1日の最低就業時間だけ決めることも認められます。ただし、最低就業時間が標準労働時間とあまり接近しているときはこの限りではありません。ご質問では「1日6時間以上」ということですので、始業・終業の時刻について選択の余地があり、このような決め方も可能だと考えられます。 |