取締役を退任しているので、競業避止義務にはあたりません。
商法では、取締役が、自己または第三者のために会社の営業に属する取引を行う場合には、その取引きの事実を取締役会に「開示し」、「承認」を受けなければならないこととしており、これを、一般に「取締役の競業避止義務」といいます。 この定めは、株式会社の取締役が、その会社の取締役として、自己または第三者のために自社の営業の部類に属する取引きをしたとき、また、関連子会社等に派遣されて親会社と子会社の間で取締役を兼任する場合に、派遣先の会社の取締役として、自己または第三者のために取引きをしたときは、派遣元会社の取締役会に報告し、承認を受けなければならないとした定めです。
したがって、ご質問のケースでは、前職の会社の取締役は退任していると思いますので、ここでいう競業避止義務にはあたらず、前の会社の得意先と取引をすることには何の制限もありません。また、関連会社等の取締役を兼務する場合の競業避止義務も1年間に限られています。 |