育児・介護休業法および指針では、休業後の労働条件については、あらかじめルールを定め、それを従業員に周知することを事業主の努力義務とするとともに、休業後の配置に際しては、原職または原職相当職に復帰させることに配慮すべきとしています。したがって、原職に復職させず子会社へ出向させることが直ちに違反とはなりませんが、やむを得ない事情がある場合にのみ、このような措置をすべきであると思われます。
ご質問のケースでは、問題点が2点あると思われます。 1点目は、後任者を採用したということです。育児休業の場合、休業後には復職することがあらかじめ予定されているわけですから、後任者の配置は本来それを見込んで行われるべきものであるはずです。
2点目として、職場復帰後、子会社に出向させるという点が挙げられます。育児休業者を休業後に子会社に出向させること自体は、直ちに違法となるわけではありませんが、休業前に、休業後の労働条件(ご質問の場合には、関連会社への出向)についてのルールを定めて明示していたかどうか、また、休業後の労働条件が休業前と比べて不利益なものとなっていないかどうか、さらに「子会社への出向」という措置が経営上、合理的かつやむを得ない措置であるのかなどの点について十分に配慮することが必要です。
特に、子会社への出向というまったく新たな環境となることへの配慮をはじめ、休業前の職務内容を勘案して適性に合致した職務に就かせること、また未経験の職務に就かせる場合には適性開発等の措置を講ずることなどについて、十分に配慮することが必要です。 |