税務調査を受ける際チェックすべき基本項目とは
この未曾有の不況下においてつい 2 、 3 年前には考えられないような項目まで税務調査で指摘されるようになっています。黒字で税金を払っている会社が激減し税収が確保できないことに原因があるようです。
税務調査でよくチェックされる項目リストの一部です。決算及び調査時にきっちりチェックしておられますか?
□ 現金・・・現在進行中の帳簿現金残と金庫(レジ)の現金残を合わしておく。
□ 貸付金・・・社長貸付(法人から支出している社長の個人的支出など)の利息は必ず計上しなければならない。
□ 売上・・・帳端分は(請求書締日より決算月の末まで分)計上されているか。売上の計上もれはないかを請求書とつきあわせてくる。
□ 売上値引・・・ 10 万円以上の値引はマークされるので、きっちりと説明ができるようにしておく。
□ 棚卸・・・必ずチェックされるので実際に集計した資料を用意しておくこと。税込経理の会社は残庫に 5 %をかけ税込額にする。
□ 仕入(原価全般)・・・2重計上してないか請求書とつきあわせてくる。外注か給与扱いなのか明確に分けておくこと。(消費税と源泉に差がでてくる)
□ 給与(人件費全般)・・・給与明細に必ず合わせておくこと。年末調整資料がよくチェックされる。扶養控除申告書を必ず全員に書いてもらう。
□ 預り金・・・税理士、司法書士、社労士、弁護士の源泉が払われているかに注意する。
□ 消耗品・・・ 10 万円以上のものに注意。資産計上すべきものが含まれてないかどうかチェックされる。(平成 15 年税制改正以降中小企業者については 30 万円)
□ 地代家賃・・・土地の支払は消費税を計算する際に課税仕入に含まれてないので消費税の計算時に注意。
□ 福利厚生費・・・従業員のために支払っている給食費・昼食代に注意。月 3500 円までしか認められていないので給与から天引きする必要がある。営業目標達成祝金は給与に含める必要があるので注意。
□ 賃借料(リース料)・・・売買リースなら資産計上し、減価償却する必要があるので注意。償還後所有権が移転するものは、リース料ではない。
□ 保険料・・・よく個人のものが法人より支出されている(受取人は会社になっているか証書を確認する。積立分(たとえば終身に相当する分)は保険積立として資産計上されているのか。
□ 修繕費・・・原状回復なら OK. 修理により性能があがるものは資本的支出となる。高額の修繕費は資本的支出になる可能性が高い(一括経費にならない)ので要注意。
□ 租税公課・・・延滞税、加算税は別表加算になるので注意する。軽油引取税があるときはこの科目に振替えること(消費税が非課税となる)。
□ 接待交際費・・・明らかにあやしいものは役員賞与と認定され、損金不算入、源泉の対象になるので要注意。
□ 雑収入・・・寮・社宅があるときは、一定額以上を従業員等から預かって収益(雑収入)計上すること。全額事業主が負担してはならない。
□ 消費税の計算過程の提出を求められるので、きっちり作成しておく。
□ 各種(賃貸借など)契約書・株主総会議事録・取締役会議事録をきっちり作成しておく。→調査時にこれらのペーパーを用意していれば有利に働きます。
(例)役員報酬を変更→取締役会議事録を作成
社長の土地建物を会社に貸付→家賃を含めた賃貸借契約書を作成
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