決算整理事項には、期中の会計処理の誤りを決算に際して修正する期末修正事項と、本来の決算整理事項であるたな卸資産の金額の確定・減価償却費計算・引当金の設定などの期末整理事項があります。 期末修正事項の有無とその内容は、法人の帳簿組織の良否の程度を示すものであり、調査官は修正事項から調査項目について多くの情報を得る場合があります。 調査官が決算整理事項の検討で注意すべき事項は、以下の通りです。
(1) 現預金の過不足について 期末において、現金出納帳が赤残である等現預金の管理が悪いということは、即不正計算を想定されます。
(2) 売上・仕入の修正について 現預金の過不足同様、調査官に不正計算を想定されます。
(3) たな卸金額の妥当性について 確定決算における利益操作の手段として多く使われる方法に、たな卸資産の過少表示があります。税務調査においても、たな卸資産は必ず調査の対象になり、たな卸計上もれは更正処分のうちに占める割合も高いものになっています。 |