社債の利息は税務上で経費にできます。しかも、社債を発行して、1年後に利息を払うわけですが、その途中で決算期が来た場合には、前回利払日の翌日から決算日までの利息分を計算し、それまでに経過した利息額を未払計上することもできます。
実務上の処理としては、社債の利息を借入金の利息と区別するために、社債利息勘定を設けて経費処理をすることになります。 また、特別な手続は不要ですが、社債の利子には 20 %を源泉徴収する義務が生じます。 つまり、社債利子を社債権者に支払った翌月の 10 日に、 15 %を国へ、5%を地方税として納付しなければならないことになっています。
ところで、企業が社長等から借入れた場合に支払う利息には、企業側に源泉徴収の義務はありませんが、税務署長に支払調書を提出しなければなりません。この支払利息は雑所得としては総合課税し、社長等個人の確定申告書に計上する必要が生じてきます。
しかし、社債の利子は分離課税ですので、社債権者が居住者または非居住者であっても、また1年間に支払う金額が 10 万円を超えていても、支払調書を提出する義務がありません。
さらに、社債利子の分離課税の税率は 20 %で済みますから、社長等の高額所得者の総合課税の利率より、おそらく低くなると思います。この点でも社債を購入する方が有利となるはずです。
実務上の処理として、もうひとつ気を付けたい点では、私募債発行企業は、利息の源泉税の特別徴収義務者となるということです。給料を支払っている企業は、既に特別徴収義務者であるので、国に対しては、その届出の必要はありませんが、社債の利子割を払いはじめる企業は、地方自治体に提出しなければなりません。
そして、預かった20%の税金のうち、 15 %は税務署に、5%は各地の県税事務所宛に、支払った翌月十日までに支払うことには変わりありません。 |