銀行などの金融のプロから借入れると、当然ながら初月から支払利息を払うこととなるわけです。この支払方法には、一般的に2通りの返済方法があります。月割の返済元金と支払利息の合計額が常に同一金額になる「元利均等払方式」と、月割の返済元金は最後まで均一で、支払利息が漸次減少していく「元金均等払方式」があります。 そして、その支払利息の金利は固定型と変動型とあり、固定型にすると、変動型にするより、利息がやや高くなることは周知の通りと思います。
中小企業金融公庫とか、国民金融公庫の借入金に対する支払利息の利率は固定型です。現在のように金利が低いとき借入れると、世間相場が高くなっても利率は低いままとなるものの、高い利率で借入れていれば、5年とか 10 年の長期にわたり、高い利率のままで致し方ない結果となるわけです。
それにひきかえ、私募債では通常の金利より若干高く設定して募集しますが、利息は1年後に払えばよいわけです。しかも、元金は償還時まで返済する必要がないわけだから、すこぶる資金繰りは楽になり、実質金利は大幅に低くなるのです。
たとえば 300 万円を5年で返済、金利を 2.5 %とした場合に、企業から流出する資金はどうなるか。 元金 300 万円を5年均等で返済するとなれば、月5万円と利息月額(別表)を合計して、初年度には約 74 万円の資金が流出することになります。
これに比べて、調達資金の 300 万円を3年後に償還するケースでは、たとえ支払利息が5%であっても社債利子分の 15 万円だけが流出するわけです。このように資金流出額だけを比較してもその有利性は歴然としています。 |