ここでは、社債債権者から中途で解約(償還)の申し出があった場合を想定して考えてみましょう。
この場合、会社は他の社債権者に買い入れ希望があるか否かを問い合わせするか、あるいは会社がいったん引き取りに応じて、その後に他の希望者を募って引き渡すことも考えられます。 また、償還する際には、その日までの支払利息を日割計算で算定し、源泉税の 20 %差し引いて支払います。
もちろん当初に勧誘する時点で、中途解約に対する取扱規定を明確にしておく必要があります。 ある会社では解約時点での支払利率を別途に取り決めしているケースもあります。
そもそも、社債を償還するときの手続き方法を定めた規定は何もありません。だから、社債を発行する際の条件として、会社が好きなように決めることができるわけです。 ただし、その内容を社債申込証とか、社債原簿に記載しておくことが必要になることは言うまでもありません。
法律上の視点から厳密に言えば、会社が自己社債を買い入れて償却できるかという問題が生じるものの、これも株式取得の禁止の規定というものがないので、社債も同様にできるものと考えられるわけです。 |